ニューオジンズ

こんにちは、とけいです。

 

今日はギャルが欠勤だったので、とても快適な1日でした。職場ってこんな静かだったっけ。

 

うちの職場にはいろんな人がいる。ギャルはその筆頭だが、他にも個性豊かな化物もたくさんいる。

 

スギさんはその一人だ。いつも休み時間にスマホを見ては、船や馬の鑑賞をしている。同じ寮に住んでいるが、食堂の奥の席から、「クソが!そこはさせよ!」とか叫んでは、空いたビールの缶を並べている。僕から借りたお金は5万円を超えた。帰ってきたお金では、まだ東京を往復する新幹線は買えなそうだ。

 

ヤマさんは、鳥より記憶力がない。朝お願いした仕事が、昼までに終わることはないし、そのまま着手されることはない。すぐにリマインドするか、着手されるのを見届けないといけない。そろそろ僕のことをスヌーズと呼んでも差し支えない。

 

ナベさんは、時代の寵児が拗らせた痛いヤツだ。父親と同じ年齢になるナベさんは、昔の若い時、地元では知らない人はいないくらいイケメンで有名だったらしい。しかし、残念なことにそのまま歳をとってしまって、今ではその栄光に縋っている痛いヤツに成り下がってしまった。ギャルにモテようと話しかけては、クソジジイと呼ばれて喜んでいる。

 

フクちゃんは、僕より少し年上の明るいおばさんお姉さんだけど、酒癖がとても悪くて、いつも半酔っ払いのまま出勤しては、課長にだる絡みをしている。土曜の夜にお店で見かけたと思ったら、次の日の夕方に同じお店でまだ飲んでたのを見かけた、というキモい噂も出るほどのお酒好きだ。昼休みに話すと口が本当に臭い。

 

そんな僕たちで、バンドを組むことになった。ニューオジンズ。昔ナベさんがニューオーリンズに行ってたという話(たぶん嘘)と、ナベさんのせいで引き上げられた平均年齢46歳というオジサン感からつけられた。ダサさがすごい。一人おばはんがいるけど四捨五入された。

 

僕はキーボード担当。3歳の頃からやっていたピアノが、ここでも生かされる。選曲はどうするのか、明日の仕事終わりの飲み会で話をしようやって言われている。

それはいいが、問題はフクちゃんがいることだ。明日の飲み会が次の日の夜まで続かないことをただ祈る。