職場のヤンキーギャルに罵られる

こんにちは、とけいです。

 

新年度になり、はや2か月が経とうとしています。みなさんの職場にも新入社員が配属されていることでしょう。

 

うちの工場は、研修とかいろいろあって、5月の中旬に配属になる。僕らのラインに配属されたのは、タイトルでも書いてある通りヤンキーギャルだった。

 

茶色とか金色とかじゃなくて、なんかよくわからない薄緑と金色が混ざったような短髪ギャル。僕より髪の毛ないんじゃない?ってくらいのベリーショートのせいで、耳に開けたたくさんのピアスがキラッキラしている。

 

あとベロにもピアス開いてた。それどうやってご飯食べるん。ずっと鉄なめてるやろ。

 

この令和のご時世、まだ生きてたんだ、こんなヤンキーギャル。って思ったけど、こんなど田舎だから当然なのかもしれない。東京と田舎では10年くらい時差があるので、10年前に東京で流行ったタメ口オラつきヤンキーギャルは、田舎では全盛期なんだろう。

 

僕の部下として配属されたギャル、いずみちゃん(仮)は、自分のことをいずみって呼んで、僕のことを「おい」って呼ぶ。

 

一応名前は名乗っておいたけど、もしかしたら覚えるのが難しかったのかもしれない。1週間経つけど「おい」って呼ばれている。

 

 

いずみちゃんは物覚えがよくて、僕が教えたことをすぐに理解して、自分から自発的に頑張れる。

ギャルなのに仕事熱心だね、って言ったら「ギャルだから仕事サボるわけじゃなくね?」って正論で殴られて、昼休みには顔から恥ずかしさと涙が溢れていたのは内緒だ。

 

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お昼ご飯は、会社が契約してるケータリング会社の弁当を食べているが、いずみちゃんは自分で手作りした弁当を持ってきていた。

 

「すごいな自分で毎日作ってんだ」

「おい、どうせギャルは料理できないと思っただろ」

「すみません」

 

だんだん話しかけるのが怖くなってきた。

 

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いずみちゃんは、別の寮に住んでいる。僕が住んでいる寮は完全無料だけど、いずみちゃんの住んでいる寮は月1.5万円かかる。その分、各部屋に風呂がついてたりエアコンがついてたり、快適に過ごせる。

 

僕はその分月々の課金に当てたいので、たとえ公衆浴場だろうが部屋にエアコンが無かろうが問題はない。

 

寮自体は近くにあるので、朝の通勤時はよく会うことがある。でも一緒に行くのは気まずいので、見かけたら立ち止まって空でも見てることにしている。

 

帰りは、どうしても同じタイミングになるので、コンビニでアイスおごらされたり、ファミレスで飯おごらされたりする。部長に「僕だけ残業ありませんか?(お願いします)」と尋ねることになるとは思わなかった。

 

 

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18日から22日まで会社は休みなので、のんびりとValorantしていたら、いずみちゃんから電話がかかってきた。

 

「おい、飯行くぞ」

「いや、今ゲームしてるから無理」

「何やってんの」

FPSやってる」

「いつまで?」

「たぶん朝まで」

「死ね」

 

いずみちゃんの年齢は18歳です。僕は33歳です。